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H-Iwamoto-research committed Nov 1, 2023
1 parent 980e7a3 commit 9982dd0
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2 changes: 2 additions & 0 deletions doc/ja/source/tutorial/index.rst
Original file line number Diff line number Diff line change
Expand Up @@ -38,6 +38,7 @@ TRHEPDでは原子座標を与えた場合に、回折データがシミュレ
の5つのアルゴリズムが用意されています。
本チュートリアルでは、最初に順問題プログラム ``sim_trhepd_rheed`` の実行方法、
その後に ``minsearch`` , ``mapper_mpi``, ``bayes``, ``exchange``, ``pamc`` の実行方法について順に説明します。
また、制約式を用いて探索範囲を制限出来る ``[runner.limitation]`` セクションを使用した実行方法も説明しています。
最後に、自分で順問題ソルバーを定義する簡単な例について説明します。

.. toctree::
Expand All @@ -48,6 +49,7 @@ TRHEPDでは原子座標を与えた場合に、回折データがシミュレ
mpi
bayes
exchange
limitation
pamc
solver_simple

192 changes: 192 additions & 0 deletions doc/ja/source/tutorial/limitation.rst
Original file line number Diff line number Diff line change
@@ -0,0 +1,192 @@
制約式を適用したレプリカ交換モンテカルロ法による探索
==========================================================================

ここでは、 ``[runner.limitation]`` セクションに設定できる制約式機能のチュートリアルを示します。
例として、レプリカ交換モンテカルロ法を、Himmelblauを対象に探索する計算に制約式を適用します。

サンプルファイルの場所
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

サンプルファイルは ``sample/analytical/limitation`` にあります。
フォルダには以下のファイルが格納されています。

- ``ref.txt``

計算が正しく実行されたか確認するためのファイル(本チュートリアルを行うことで得られる ``best_result.txt`` の回答)。

- ``input.toml``

メインプログラムの入力ファイル。

- ``do.sh``

本チュートリアルを一括計算するために準備されたスクリプト

以下、これらのファイルについて説明したあと、実際の計算結果を紹介します。

入力ファイルの説明
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

メインプログラム用の入力ファイル ``input.toml`` について説明します。
``input.toml`` の詳細については入力ファイルに記載されています。
以下は、サンプルファイルにある ``input.toml`` の中身になります。

.. code-block::
[base]
dimension = 2
output_dir = "output"
[algorithm]
name = "exchange"
seed = 12345
[algorithm.param]
max_list = [6.0, 6.0]
min_list = [-6.0, -6.0]
unit_list = [0.3, 0.3]
[algorithm.exchange]
Tmin = 1.0
Tmax = 100000.0
numsteps = 10000
numsteps_exchange = 100
[solver]
name = "analytical"
function_name = "himmelblau"
[runner]
[runner.limitation]
co_a = [[1, -1],[1, 1]]
co_b = [[0], [-1]]
ここではこの入力ファイルを簡単に説明します。
詳細は入力ファイルのレファレンスを参照してください。

``[base]`` セクションはメインプログラム全体のパラメータです。
``dimension`` は最適化したい変数の個数で、今の場合は2つの変数の最適化を行うので、``2`` を指定します。

``[algorithm]`` セクションは用いる探索アルゴリズムを設定します。
交換モンテカルロ法を用いる場合には、 ``name`` に ``"exchange"`` を指定します。
``label_list`` は、``value_0x`` (x=1,2) を出力する際につけるラベル名のリストです。
``seed`` は擬似乱数生成器に与える種です。

``[algorithm.param]`` サブセクションは、最適化したいパラメータの範囲などを指定します。
``min_list`` は最小値、 ``max_list`` は最大値を示します。

``[algorithm.exchange]`` サブセクションは、交換モンテカルロ法のハイパーパラメータを指定します。

- ``numstep`` はモンテカルロ更新の回数です。
- ``numsteps_exchange`` で指定した回数のモンテカルロ更新の後に、温度交換を試みます。
- ``Tmin``, ``Tmax`` はそれぞれ温度の下限・上限です。
- ``Tlogspace`` が ``true`` の場合、温度を対数空間で等分割します。このオプションはデフォルト値が ``true`` であるため、今回の ``input.toml`` に指定は無いですが、 ``true`` になっています。

``[solver]`` セクションではメインプログラムの内部で使用するソルバーを指定します。
今回は ``analytical`` ソルバーを指定しています。 ``analytical`` ソルバーは ``function_name`` パラメータを用いて関数を設定します。
今回はHimmelblau 関数を指定しています。
``analytical`` ソルバーに関してはチュートリアル「順問題ソルバーの追加」を参照してください。

``[runner]`` セクションは ``[runner.limitation]`` サブセクションを持ち、この中に制約式を設定します。
現在、制約式は :math:`N` 次元のパラメータ :math:`x` 、 :math:`M` 行 :math:`N` 列の行列 :math:`A` 、
:math:`M` 次元の縦ベクトル :math:`b` から定義される :math:`Ax+b>0` の制約式が利用可能です。
パラメータとしては、以下の項目が設定可能です。

- ``co_a`` は行列 :math:`A` を設定します。
- ``co_b`` は縦ベクトル :math:`b` を設定します。

パラメータの詳しい設定方法はマニュアル内「入力ファイル」項の「 [``limitation``] セクション」を参照してください。
今回は

.. math::
x_{1} − x_{2} > 0\\
x_{1} + x_{2} − 1 > 0
の制約式を課して実行しています。

計算実行
~~~~~~~~~~~~

最初にサンプルファイルが置いてあるフォルダへ移動します(以下、本ソフトウェアをダウンロードしたディレクトリ直下にいることを仮定します).

.. code-block::
cd sample/analytical/limitation
そのあとに、メインプログラムを実行します(計算時間は通常のPCで20秒程度で終わります)。

.. code-block::
mpiexec -np 10 python3 ../../../src/py2dmat_main.py input.toml | tee log.txt
ここではプロセス数10のMPI並列を用いた計算を行っています。
(Open MPI を用いる場合で、使えるコア数よりも要求プロセス数の方が多い時には、
``mpiexec`` コマンドに ``--oversubscribed`` オプションを追加してください。)
実行すると、 ``output`` フォルダが生成され、その中に各ランクのフォルダが作成されます。
更にその中には、各モンテカルロステップで評価したパラメータおよび目的関数の値を記した ``trial.txt`` ファイルと、
実際に採択されたパラメータを記した ``result.txt`` ファイルが作成されます。
ともに書式は同じで、最初の2列がステップ数とプロセス内のwalker 番号、次が温度、3列目が目的関数の値、4列目以降がパラメータです。
以下は、 ``output/0/result.txt`` ファイルの冒頭部分です。

.. code-block::
# step walker T fx x1 x2
0 0 1.0 187.94429125133564 5.155393113805774 -2.203493345018569
1 0 1.0 148.23606736778044 4.9995614992887525 -2.370212436322816
2 0 1.0 148.23606736778044 4.9995614992887525 -2.370212436322816
3 0 1.0 148.23606736778044 4.9995614992887525 -2.370212436322816
最後に、 ``output/best_result.txt`` に、目的関数が最小となったパラメータとそれを得たランク、モンテカルロステップの情報が書き込まれます。

.. code-block::
nprocs = 10
rank = 2
step = 4523
walker = 0
fx = 0.00010188398524402734
x1 = 3.584944906595298
x2 = -1.8506985826548874
なお、一括計算するスクリプトとして ``do.sh`` を用意しています。
``do.sh`` では ``best_result.txt`` と ``ref.txt`` の差分も比較しています。
以下、説明は割愛しますが、その中身を掲載します。

.. code-block::
#!/bin/bash
mpiexec -np 10 --oversubscribe python3 ../../../src/py2dmat_main.py input.toml
echo diff output/best_result.txt ref.txt
res=0
diff output/best_result.txt ref.txt || res=$?
if [ $res -eq 0 ]; then
echo TEST PASS
true
else
echo TEST FAILED: best_result.txt and ref.txt differ
false
fi
計算結果の可視化
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

``result.txt`` を図示して、制約式を満たした座標のみを探索しているかを確認します。
今回の場合は、以下のコマンドを打つことで2次元パラメータ空間の図が ``<実行日>_histogram`` フォルダ内に作成されます。
生成されるヒストグラムは、burn-in期間として最初の1000ステップ分の探索を捨てたデータを使用しています。

.. code-block::
python3 hist2d_limitation_sample.py -p 10 -i input.toml -b 0.1
作成された図には2本の直線 :math:`x_{1} − x_{2} = 0, x_{1} + x_{2} − 1 = 0` と
探索結果(事後確率分布のヒストグラム)を図示しています。
図を見ると :math:`x_{1} − x_{2} > 0, x_{1} + x_{2} − 1 > 0` の範囲のみ探索をしていることが確認できます。
以下に図の一部を掲載します。

.. figure:: ../../../common/img/limitation_beta_min.*

.. figure:: ../../../common/img/limitation_beta_max.*

サンプルされたパラメータと確率分布。横軸は ``value_01 (x1)`` , 縦軸は ``value_02 (x2)`` を表す。

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